てんかん発作が起きたときの対処法について
おうちのワンちゃん、ネコちゃんが初めて発作を起こした時、飼い主さんは見たことがない突然の様子にかなり驚かれると思います。
それが1回だけでなく2回、3回、毎日、1週間に1回など・・・、続くと相当不安になりますよね。
今回はワンちゃん、ネコちゃんがてんかん発作を起こした時、飼い主さんはどのような対応をしたら良いかについてお話ししたいと思います。
発作は突然やってきます
数回起きてる場合は飼い主さんが予測できるケースもあります。
例えば
・口をくちゃくちゃする(チューインガムを噛んでいるような様子です)
・急にソワソワし始めた などです。
<発作が起こった場合・・・>
初めて見た場合でも、2回目以降でも対応は同じです。以下の点を参考にしてください。
1、抱き上げたいところですが、発作が治るまでは触れないようにしましょう。特に顔周りには触れないようにします。
→発作が起きると歯を食い縛る場合があり、声を掛けても離してくれることは期待できない状況です。うっかり噛まれてしまうと飼い主さんが大けがをしてしまいます。
2、身体に触れない代わりに、頭や身体をぶつけないよう周囲をクッションなどで囲い、落ち着いて様子を観察します。
3、発作が始まってから終わるまでにかかった時間と元の状態に戻るまでにかかった時間を記録しておきましょう。発作が終わってもしばらくはもうろうとした状態が続くこともあります。
→発作が2回以上起きた場合は、発作が起きた日付や時間、発作が続いた時間、どのような様子だったか、などを記録した日記をつけておくと診察を受ける場合にとても参考になります。
4、できれば動画でその様子を記録しておきましょう。
→動画での記録は診察の際にとても参考になります。「発作」といっても心臓によるものや低血糖によるものなど原因がてんかんではない場合もあります。
5、1回の発作時間が5分以上あった、1日に2回以上起きた、半年に2回以上起きた、などの場合は動物病院に相談しましょう。
6、発作が止まらない場合(5分以上続く)はかかりつけ、また、夜中であれば夜間救急病院に急いで向かいましょう!
→緊急事態はなぜか夜中、休日に起こりやすい傾向があります。夜中に起こったけれどかかりつけが診察していないから病院が開くまで待っていた、という話をよく耳にしますが、てんかん発作は継続時間が長い、回数が多い、発作の様子が大きいほど脳へのダメージが大きいです。ダメージが大きい場合は脳が浮腫んでしまい、発作が止まっても元のうちの子には戻らない場合も少なくありません。
もうすぐ年末年始に入ります。
かかりつけの動物病院もお休みや診療時間の短縮などが始まることや帰省した場合は対応できる病院が限られる可能性もあります。
いざという時にどのように対応したら良いかやお薬の在庫を確認しておくと安心です。
当院の神経科ではカウンセリング(飼い主様のみご来院のご相談)も承っております。気になることがありましたらお気軽にご相談下さい。
たまきペットクリニック 神経科担当
獣医師 大内 詠子
