目の前でてんかん発作が起きたらどうする?〜お家で常備できる緊急薬について〜
12月のブログでは「てんかん発作が起こった時の対処法」を解説しましたが、「もし発作が止まらなかったら…」「お家でできることはないの?」と不安に思われる方も多いのではないでしょうか。
基本的には、発作が止まらない・繰り返す場合はすぐに動物病院へ行くのがベストです。
しかし、夜間や移動に時間がかかるなど、すぐに向かうのが難しい状況もあります。
そんな時、お家で使える「緊急薬」があると少し安心材料になります。
進化した緊急薬:坐薬から「鼻へのスプレー」へ
以前は「坐薬タイプ」が主流でしたが、数年前より、鼻の穴から液体の薬を噴霧する「経鼻投与タイプ」が登場しています。

| 特徴 | 坐薬タイプ | 鼻に噴霧するタイプ |
| メリット | 保存が楽 | 吸収が早く、効果が出るのがスピーディー |
| デメリット | 溶けるのに時間がかかる。いきんで体外に出てしまうことがある。 | 副作用(呼吸抑制など)に注意が必要 |
| 投与方法 | 肛門の奥へ入れる | 鼻の穴(または口の粘膜)へシュッと噴霧 |
鼻の穴が小さいワンちゃんやネコちゃんの場合は、口の粘膜に噴霧することで代用も可能です。
お薬を使うタイミングと注意点
お薬を使っても治まらない場合、以下のような理由が考えられます。
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投与量が足りていない
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その薬が効かないタイプの発作である
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うまく投与できていない(ロスがある)
【当院が推奨するタイミング】
まず1回鼻に噴霧し、5分間様子を見る
治まらなければ、もう1度噴霧
その後、3分以内に治まらなければ、迷わずすぐに動物病院へ!
※これらのお薬は神経の興奮を抑えますが、呼吸抑制などの副作用が出る場合があります。投薬後は発作の状態だけでなく、呼吸の様子もしっかり観察しましょう。
「止まったから安心」ではありません
夜間に発作が起こり、お薬でなんとか治まったとしても、「数時間に数回」の発作が起こることは異常事態です。
現在服用している常用薬の調整が必要なサインですので、必ず後ほど受診してください。
まとめ
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現在は効果が出やすい「鼻の粘膜(または口の粘膜)に噴霧するタイプ」が主流
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副作用のリスクもあるため、獣医師と相談して愛犬・愛猫に合った使い方を確認しておく
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発作が長く続く、または1日に何度も起こる場合は、必ず動物病院を受診する
当院でも、この噴霧タイプの緊急薬を処方しております。
「もしもの時に備えて持っておきたい」という方は、ぜひ神経科の外来を受診してください。
「まずは話だけ聞いてみたい」という飼い主様向けに、カウンセリング(飼い主様のみご来院・お薬の処方なし)も承っております。お気軽にご相談ください。
たまきペットクリニック 神経科担当
獣医師 大内 詠子
