たまきペットクリニック|船橋市・市川市の動物病院

船橋市・市川市の動物病院です。女性獣医師が診察を行い、飼い主と動物に寄り添った医療を提供いたします。

2026年8月の記事:ブログページ

神経学的検査ってなに?(その2)

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神経科の初診では、必ず「神経学的検査」という検査を行っています。前回は検査の目的や使う道具などについてお話ししましたが、今回は当院で実際に行っている内容をご紹介します。
「うちの子はどんなところを診てもらっているんだろう?」と気になっている飼い主さまの参考になれば幸いです。

神経学的検査とは

神経学的検査は、脳や脊髄、末梢神経など、いわゆる「神経のネットワーク」に異常がないかを調べるための診察です。
当院では、獣医神経病学会が発行している検査表に基づき、プロフィールや病歴の確認に加えて、次の7つのグループに分けてチェックしています。

🔍7つの検査項目

1観察

意識の状態、立ったり座ったりしているときの姿勢、歩き方、呼吸の様子などをじっくり観察します。
姿勢や歩き方は本来左右対称なので、どちらか一方にだけ異常がある場合は、この観察の段階で気づけることも多くあります。

2 触診

骨や関節に痛みがないか、筋肉の過度な緊張や萎縮がないか、左右差がないかなどを手で確かめます。
これによって、症状が神経の病気によるものか、あるいは整形外科的な問題など別の原因によるものかを見分ける手がかりが得られます。
神経疾患にはホルモンの異常が関係していることもあるため、皮膚や乳腺、お腹の張りを見たり、リンパ節、目や耳なども丁寧に触れて確認します。

3 姿勢反応

体勢が崩れたときに倒れないように自分でバランスを立て直せるかどうかを調べます。
ここに異常がある場合、脳や脊髄、末梢の感覚のどこかに問題があることが考えられます。
足元が滑らないよう、当院ではヨガマットなどを敷いて安全に検査を行っています。

4 脊髄反射

病変が中枢神経系(脳や脊髄)にあるのか、末梢神経系にあるのかを判断するための検査です。
左右の前足・後足、背中の皮膚、肛門の周りなどを調べ、運動神経と感覚神経がうまく連携しているかを見ます。
このとき、打診槌やモスキート鉗子といった道具を使います。

5 脳神経検査

脳自体に異常がないか、また異常がある場合には大脳・小脳・脳幹・脳神経のどの部分に問題がありそうかを調べます。
顔の動きも本来は左右対称なので、まぶたや口元、表情に左右差があれば異常のサインになります。
ペンライトを使って瞳孔の大きさや反応も確認します。

6 感覚検査

皮膚の表面の感覚や深い部分の痛みを感じ取れているか、逆に触られると過敏になりすぎていないかなどをチェックします。
これにより、病変がおおよそどのあたりにあるのか、損傷の程度がどのくらいなのかを推測する材料になります。

7 排尿機能の確認

自分の意思でおしっこができているか、膀胱を触ったときに尿がたまり過ぎていないかなどを見ています。
膀胱をそっと圧迫したときの手ごたえの違和感の有無も含めて、排尿に関わる神経がうまく働いているかどうかを判断します。

 

 その後に行う検査とのつながり

これら1〜7の結果を組み合わせることで、「神経のどの場所に病変がありそうか」という“場所探し”を行います。
そのうえで、必要に応じて画像診断検査(MRIやCT)、電気生理学的検査などを行うかどうかを判断し、どの部位をどのように検査するかを決めていきます。
例えば、MRI検査では全身を一度に撮影するのではなく、必要と考えられる部分にしぼって撮影します。
CT検査については、状況によっては全身を撮影する場合もあります。

 

 さいごに

今回は、神経科の初診で必ず行っている「神経学的検査」について、当院での実際の流れを簡単にご紹介しました。
文章だけでは分かりにくいところも多い検査だと思いますので、診察の際に気になる点があれば、遠慮なくお尋ねください。


たまきペットクリニック

神経科担当
獣医師 大内 詠子

2026年08月28日 09:10

特発性てんかんのワンちゃんと一緒に旅行するときに気をつけたい3つのポイント

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夏休み、愛犬との旅行を計画される方も多いと思います。

先日、飼い主様から「特発性てんかんの治療中ですが、一緒に旅行に行けますか?」とご相談を受けました。この点については毎年頂くご質問ですので、お話ししたいと思います。

結論からお伝えすると、発作が安定していれば旅行は可能です。ただし、普段と違う環境へ行くからこそ注意して欲しいポイントがあります。

特発性てんかんとは?

脳に目立った異常がないタイプのてんかんで、お薬で発作を抑える治療を行います。
コントロールがうまくいけば、健康なワンちゃんとほぼ変わらない日常を送ることができます。


しかし、旅行先での環境の変化によって思わぬ発作が起こる可能性もあるため、以下の3点に注意しましょう。

1. お薬は「いつも通り」の
時間・回数で飲む

「数日くらい飲ませなくても大丈夫」は禁物です。抗てんかん薬は毎日決まった時間に飲むことで、血液中の薬の濃度を一定に保っています。1回でも休むと薬の濃度が下がり、大きな発作を引き起こす危険があります。旅行中も必ず普段通り投薬しましょう。

2. 水場やノーリードなど
「危険な場所」を避ける

海や川などの水場: 遊んでいる最中に発作が起きると、浅い場所でも溺れる危険があります。

目の届かない場所: キャンプ場の草むらなどで発作が起きると、滑落やケガに繋がります。出先では必ずリードをつけ、常に目の届く場所で過ごさせましょう。

3. 旅先の動物病院を
事前にリストアップする

発作が長引くなど緊急時に備え、滞在先近くの動物病院や夜間救急の場所・診療時間を調べておきましょう。普段飲んでいるお薬の名前がわかるものを持参すると、旅先での受診もスムーズです。

まとめ

特発性てんかんのワンちゃんでも、発作が安定していれば旅行を楽しむことは十分可能です。

そのためには、

✅お薬を普段通りに飲むこと

✅危険な場所を避けること

✅緊急時に備えて事前に準備すること

この3つがとても大切です。

環境の変化は少なからず体に負担がかかります。旅行を計画された際は、ぜひ事前にかかりつけの動物病院へご相談ください。

万が一の際の発作止め(座薬、スプレータイプなど)のお渡しや、安全な旅行のアドバイスがもらえると思います。


※本記事は一般的な情報提供です。愛犬の旅行の可否や持参薬については、必ず事前に診察時にご相談ください。


たまきペットクリニック

神経科担当
獣医師 大内 詠子

2026年08月07日 10:18
たまきペットクリニック

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動物取扱責任者 室賀 環
登録の年月日 令和6年5月24日
有効期間の末日 令和11年5月23日